【上海 整形外科 コラム】
いわゆる40肩(50肩)、肩関節周囲炎は中年以降に発症すると言われています。肩の痛みと運動制限が主で、加齢や筋力の衰えによるものが多いです。痛みは肩部だけにとどまらず腕の方まで痛みを訴える事もあります。痛みは鈍痛や、夜間に冷えた時に痛むことが多くみられます。動きとしては、手を頭の後ろに回す(結髪動作)、手を腰に回す(結帯動作)時に痛みが出る事が多いです。
典型的な40肩の症状は痛みと拘縮です。拘縮は運動制限を意味します。腕が挙げづらい、挙がらない、背中に手をもっていけないなど日常生活で問題が生じます。症状が3ヶ月以上続くと肩全体の筋肉が痩せ、筋力低下が生じることもあります。
(日常の動作で気をつけること)
更衣動作
衣服は袖や腕回りがゆったりとした物で、体の前面で開くものを選択しましょう。かぶるシャツなどは避ける。着る時は痛いほうの腕から先に袖に通す。脱ぐ時は逆に行う。
痛い方の手で荷物を持つ場合
基本的には持たない方がいいのですが、どうしても持たなければいけない時は、脇を絞め上腕を体に固定し、ゆっくり持ち上げる。重いものは避けましょう。
寝る姿勢
最も楽に寝られる姿勢を取りましょう。あお向けで寝る場合は肩の下にタオル・クッションなどをおきリラックスできる姿勢をとりましょう。横向きで寝る場合は、抱き枕等で腕が下がらないよう工夫しましょう。
夜間痛
夜間痛は肩が冷えた時に起こる場合があるので、肩用の保温サポーターやカイロ(低温やけどに注意)を使用したり保温に努めてください。
逆に熱感がある場合は、湿布や氷をビニール袋に入れ患部を冷やすことで緩和することもあります。
保温
夏はクーラーや扇風機などで直接冷気が肩に当たらないようにしましょう。冬は肩に保温用サポーターを着け、冷やさないようにしましょう。冷えた時にはお風呂に入るなどし、循環を良くしましょう。
温熱療法
ホットパック・超音波などにより局所循環の改善・除痛・筋痙縮の軽減を目的に行います。関節可動域訓練の前処置としても行います。
運動療法
関節可動域訓練・ストレッチ・運動療法にて疼痛を軽減させ、筋緊張を軽減しリラクセーションを得ることにより、関節可動域の拡大を図っていきます。
(簡単にできる40肩のエクササイズ)
コッドマン体操
自動運動にて運動痛が誘発される場合にこの訓練が適用となる。痛い方の手に1kgくらいの鉄アレーなどを持たせ、前後・左右・回旋方向に振り子様運動を行う。
筋力訓練
肩関節の可動域がある程度拡大してから行う。ゴムバンド(セラバンド)鉄アレーなどを用いて、筋萎縮や筋力低下している筋の筋力強化を行います。
運動療法にもたくさんの治療法がありますが、リハビリだけに頼るのではなく、ご自分でも毎日体操など行って健康な上海生活を送って下さい。
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